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平成30年5月26日静岡新聞:記事全文

見出し 「まどみちお展」きょうから 絵画や原稿260点展示―菊川・常葉美術館
日付 2018.5.26
新聞名 静岡(朝)
30
連載・コーナー
ジャンル 社会
記事全文 童謡「ぞうさん」で知られ、4年前に亡くなった詩人まど・みちおさんの生涯をたどる企画展「まど・みちおのうちゅう」(常葉美術館、静岡新聞社・静岡放送主催)が26日、菊川市半済の同館で開幕する。24~25日に作品が搬入され、絵画や原稿、挿絵のスケッチなど約260点が展示された。まどさんは幼児向け雑誌の編集者から50歳で独立し、童謡の作詞家として一躍脚光を浴びた。50代半ばで抽象画に3年ほど没頭した時期があり、その際に培った自由な発想が後年の非定型自由詩につながったとされる。特別展はあまり知られていない抽象画58点を中心に、まどさんの歩みと作風の変遷を詳しく紹介する。暗い青を基調とした「少女の顔」をはじめ重々しい色彩の絵画からは、心温まる童謡の歌詞と対照的に、自由な表現を求めて苦悩したまどさんの姿が垣間見える。 所蔵元の山口県周南市美術博物館の松本久美子学芸課長は「生涯詩人として試行錯誤を続けたまどさんの世界観に触れてほしい」と話した。展示は7月1日まで。