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平成30年9月27日静岡新聞:記事全文

見出し 郊外高齢者の助けに コンビニ移動販売1周年 訪問先倍増40カ所―菊川
日付 2018.9.27
新聞名 静岡(朝)
20
連載・コーナー 中東遠
ジャンル 地域 西
記事全文 菊川市のローソン菊川西方店を経営する戸塚正さん(68)が市内の買い物困難者のために始めた移動販売サービスが今月で1周年を迎えた。徐々に固定の利用客が増え、今では郊外の高齢者に欠かせない存在。「困っている人の役に立ちたい」と週6日、商品を満載した軽トラックで市内を巡り続けている。戸塚さんはコンビニ経営の傍ら高齢者の外出支援ボランティアに取り組んできた。関わった高齢者から、郊外で商店が減り買い物が難しいと相談され、昨年9月に県内のローソンでは2番目となる移動販売車を導入した。地域ごとに週1回、場所と時間を指定して近隣住民に集まってもらう仕組み。荷台にパンや弁当、菓子、冷凍食品など400~500品を載せ、各訪問先で10分ほど営業する。市や生活支援コーディネーターと連携して利用客の募集を続け、当初十数カ所だった訪問先は1年で約40カ所に倍増した。商店の乏しい下倉沢地区の女性客(90)は「最寄りの商店に行くにもバスに乗る必要があるので助かる。ひ孫にあげる菓子を買えるのもうれしい」と訪問を心待ちにしている。採算に乗せるには利用客の一層の増加が必要。戸塚さんは「住宅街でも自力で買い物に出るのが難しい高齢者が多いことが分かってきた。さらに需要を掘り起こし、多くの人に商品を届けたい」と意欲を新たにした。