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JR菊川駅ロータリー内のシェアスペースで昨年、市民図書室「FONきくがわ本旅図書室」を開いた。誰でも図書を自由に持ち込み、借りる人とメッセージの交換ができる仕組み。本を通じた市民の交流を目指している。35歳。-どのような図書室か。「読み終えた本、誰かに読んでほしい本を自由に持ち込み、備え付けのメッセージカードを貼り付け、紹介文や自分の思い入れを書いてもらう。カードは借りた人が次々に感想を書けるようになっている。現在50冊ほど集まっている」-開設のきっかけは。「15年ほど東京の設計事務所で住宅設計に携わり、顧客の中に本を捨てられないという悩みを抱く人が多いと気づいた。大切な本を捨てるのでなく旅に出す気持ちで持ち込み、共有できる場があればと考えた」-活動で感じることは。 「本のやりとりを通じて全く新しい出会いが得られる。今春から図書室の活動を機に出会った人々と月1回、哲学カフェを開き始めた。普段の生活では接点のない、立場の異なる人の意見を聞けるので面白い」-今後の目標は。「自分は東京での生活を経て地元の菊川にUターンした。同様に外から菊川に来た人も、地元の人も、緩やかにつながりを持てて地域が好きになれるような、温かい場所になるといい」◇市内で設計事務所を経営。子育てにも奮闘する。 |