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平成31年2月28日静岡新聞:記事全文

見出し 交流新時代 中東遠5市予算案(3)=活気ある駅前 再構築 庁舎東館整備―菊川市
日付 2019.2.28
新聞名 静岡(朝)
20
連載・コーナー 中東遠
ジャンル 地域 西
記事全文 JR菊川駅の南側に広がる商店街の一角の市有地で1月、菊川市役所の分庁舎となる東館の建設が始まった。市は東館に住民の交流施設「地区センター」やカフェスペースなどを整備し、にぎわい創出の拠点としたい考えだ。2019年度当初予算案に建設費4億700万円を計上し、20年春完成を目指す。1980年代には150店近い商店が並び活気のあった駅南は、区画整理事業の長期化などを背景に商店が域外へ移転。担い手不足もあり、駅南の商店街組合の加盟店は31店舗まで減少した。市は新たな人の流れをつくるため、市役所庁舎北館の老朽化に伴い、15年から東館の新設を計画。駅利用者や住民が気軽に立ち寄れる仕掛けを施したほか、隣接する噴水広場と一体的に使える設計にした。東館の設計を考える市民ワークショップに参加した市内子育て支援団体代表の藤原万起子さん(52)は「(東館が)ママさんたちが集まる憩いの場になれば、駅前を訪れる市外の人たちが菊川に住みたいと思うきっかけにつながるはず」と期待を込める。一部商店主からは「集客力に欠けるのでは」と市の計画を不安視する声もある。市は駅周辺の総合的な開発戦略として、長年の懸案だった駅北と駅南地域の交流促進にも着手。1月には「駅北整備構想」に基づき、南口しかない菊川駅に南北自由通路を設ける調査が始まった。駅北整備には30億円規模の事業費を要するとされるが、市は投資に前向きな姿勢を示す。19年度当初予算案では駅前周辺の活性化策を産官学金で研究する事業費900万円を計上。1年後に控える東館オープンに向けて地元住民や企業と協力しながら、市玄関口の再構築を図っていく。JR菊川駅の年間乗降客数は約300万人。駅北側にはスーパーや家電量販店、ホームセンターなどが出店している大型複合商業施設がある。東館は駅利用者や住民の需要を取り込み年間4万人を超える利用を目指す。