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平成27年4月1日静岡新聞:記事全文

見出し バイオガス発電施設着工 鈴与商事 菊川、来年3月稼働予定
日付 2015.4.1
新聞名 静岡(朝)
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連載・コーナー 経済 しずおか
ジャンル 経済
記事全文 鈴与商事(静岡市、脇本省吾社長)は30日、食品加工や農業で出る有機系廃棄物を活用したバイオガス発電プラントの建設を菊川市西方で始めた。電力、熱の形でエネルギーを取り出すとともに、排出する二酸化炭素(CO2)を農業施設で再利用する。運転開始は2016年3月の予定。鈴与グループの農業生産法人「ベルファーム」の農園隣接地にメタン発酵設備、バイオガス発電機、排ガス精製設備などを備えたプラントを建設する。総投資額は約9億円。発電規模は120キロワットで、想定発電電力量は一般家庭約200世帯分に当たるという。同社はプラントを「再生可能エネルギーの地産地消」の実証施設と位置付けた。ベルファームの農産廃棄物、同グループの「エスエスケイフーズ」の食品加工かす、プラント周辺の刈り草などを発酵させ、取り出したメタンガスを燃焼させて発電する。燃焼ガスからは窒素酸化物を除去してCO2を精製する。電力は鈴与商事が新電力事業で、熱とCO2はベルファームが農園でそれぞれ活用する。CO2は農園で作物が吸収することで循環させる。メタン発酵で出る消化液は肥料としての活用法を県農林技術研究所などとともに探る。CO2の再利用は大阪府立大大学院の安田昌弘准教授と公害防止機器研究所(大阪府)の技術支援を受けた。