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平成28年3月14日静岡新聞:記事全文

見出し ダンスでイランに笑顔 施設慰問し交流 「言葉通じなくても、できることを」-菊川のプロ集団代表
日付 2016.3.14
新聞名 静岡(夕)
3
連載・コーナー
ジャンル 社会
記事全文 菊川市を拠点に活動するプロダンス集団「LAN―T003(ランティーゼロゼロスリー)」の長谷山高士代表(37)がイランの孤児や病人にダンスを披露する慈善活動に取り組んでいる。2月中旬には同国南部のケシム島で開かれたチャリティー大会「アーティストフットサルワールドカップ」に出場。「言葉は通じなくてもできることはある。一瞬でも明るい気持ちになってもらえたら」と活動への思いを話す。長谷山さんは親交の深い国内のパフォーマンス集団の誘いを受けて昨年から、イランサッカー協会が主催するこの大会に参加している。イベントでは欧州を中心に各国の音楽家や芸人がフットサルで競うほか、試合の合間には現地のモスクや児童養護施設を慰問する。長谷山さんも日本人学校や病院でヒップホップダンスやバルーンアートを披露した。イランでの滞在期間中、複雑な国情が垣間見えた。街を歩いていると、大勢の人が寄ってきて写真を撮られた。「長く戦争をしていたので外国人の訪問が珍しいのでは」と推測する。病院には手や足を失った軍人が入院していた。政府の厳しい文化規制にも直面した。公共の場でダンスを見物する人々が一緒にリズムに乗って踊ることはなかった。それでもパフォーマンスを見た人から感謝の言葉を掛けられ、イランで交流の輪を広げたいとの思いが強くなった。「人々の暗い気持ちをぬぐい去るのは難しいかもしれないが、少しでも役に立ちたい」と来年以降も大会に参加を続けるつもりだ。チームとしても東日本大震災で被害を受けた宮城県石巻市での復興イベントに出演するなど、社会貢献に力を入れてきた。メンバーの小野川直靖さん(35)は「イランでの長谷山さんの活動はチームとしての意志。人を楽しませてダンスの可能性を広げてほしい」と期待を寄せる。