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令和1年5月30日静岡新聞:記事全文

見出し 立民擁立の波紋 参院選しずおか2019(中)=国民民主、共産 連合の支援細り危機感
日付 2019.5.30
新聞名 静岡(朝)
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記事全文 2018年5月、今夏の参院選静岡選挙区(改選数2)に国民民主党から立候補を予定する現職榛葉賀津也氏(52)の推薦を、連合静岡が早々と決定した。約20万人の組合員を要する連合静岡は、榛葉氏にとって最大の支援組織だ。榛葉氏の過去の選挙でも、集票の原動力としてフル回転してきた。ただ、近年は組織力に陰りが見えるとの指摘もある。さらに今回の参院選では自治労など連合傘下の五つの産業別労働組合(産別)が比例代表で立憲民主党から候補者を立てる一方、選挙区では榛葉氏を支援することになる。「比例は立民、選挙区は国民」は組合員に浸透するのか。ある産別の幹部は「心情としては立民」と打ち明けた。榛葉氏の支援態勢にほころびが生じる可能性がある。最近の多くの世論調査で、国民の支持率が1%程度に低迷。立民と大きな開きがあることも、榛葉氏の不安材料だ。29日昼過ぎ、JR静岡駅南口にほど近い連合静岡の事務局に、前日、立民公認で静岡選挙区に出馬することを表明したばかりの政治経済評論家徳川家広氏(54)の姿があった。 「ご支援をお願いたい」。同行した県連幹部と共に名刺を差し出すと、駐車場で応対した事務局の担当者は「あいさつに来られたことは伝える」とだけ答え、建物の中に案内することはなかった。この日の徳川氏への処遇は、静岡選挙区での連合の姿勢を示すことで懸念材料を振り払おうとしているようにも映る。「立民は私たちの榛葉氏推薦を承知で徳川氏を擁立した。戦うしかない」。中西清文連合静岡会長は、取材に語気を強めた。榛葉氏は3期18年の実績と経験、知名度を有し、党参院幹事長の要職を務める。旧民主党から受け継がれた組織もあり、本来なら「負ける要素はない」(榛葉陣営幹部)。「ウサギとカメの昔話で、カメが勝ったのは周囲を気にせずまっすぐゴールを目指したから。私もカメになる」。決起大会で榛葉氏は独特の表現で生き残りを誓った。 共産党から出馬する新人鈴木千佳氏(48)は、立民の擁立にも「われわれの戦い方に変わりはない」と強調。選挙区だけでなく、比例代表での躍進を狙う。