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令和2年7月5日静岡新聞:記事全文

見出し 茶畑の景観守るには 大学生が東山訪れ卒業研究 掛川
日付 2020.7.5
新聞名 静岡(朝)
16
連載・コーナー 中東遠
ジャンル 地域 西
記事全文 静岡理工科大4年の加藤弘章さん(22)=菊川市=は3日、卒業研究の一環で世界農業遺産「静岡の茶草場農法」の実践地である掛川市東山を訪問した。「茶文字の里東山」の杉山敏志さん(68)案内のもと、東山の景観や自然環境について理解を深めた。理工学部建築学科で設計を学ぶ加藤さんは地元の風景に興味を持ち、卒業研究に励む。東山地区は景観と自然を守るために保全活動に積極的であることを知り、地元の人から話を聞こうと視察を決めた。杉山さんは茶園や粟ケ岳山頂を案内し、貴重な動植物や平均37度の斜面にヒノキで作られた「茶」の文字を紹介した。間近で茶文字を見た加藤さんは「近くで見るととても大きい。急斜面での草刈りは大変なのでは」と驚いた様子。茶農家の後継者不足や耕作放棄地の増加など、東山が抱える課題についても説明を受けた。視察を終えた加藤さんは「農家の方からは保全活動への思いや大変さが伝わった。放棄地の有効な活用方法などを探りたい」と話した。今後は菊川市倉沢の千框(せんがまち)棚田や牧之原台地の茶畑にも足を運び、研究を進めるという。