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令和2年9月27日静岡新聞:記事全文

見出し 秋季高校野球県大会=常葉大菊川の猛打 コールド 東海切符
日付 2020.9.27
新聞名 静岡(朝)
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連載・コーナー
ジャンル スポーツ
記事全文 ▽準決勝(第2試合)常葉大菊川(西部5位)3132000―9 0000100―1三島南(東部3位)(7回コールド)▽三塁打 馬塚(常)▽二塁打 大石(常)山田(三)▽暴投 小山(常)▽試合時間 1時間42分【評】常葉大菊川が序盤の集中打で、三島南にコールド勝ちした。菊川は初回2死一、二塁から相手の失策で先制し、続く馬塚の適時打で2点を追加した。三回にも単打3本に四死球を絡めて3点を挙げた。投げては3投手の継投で1失点でしのいだ。三島南は五回に1点を返したが、序盤の大量失点が響いた。遅球対策“ジャストミート” 1年生6番 馬塚が2安打4打点フルスイングが持ち味の常葉大菊川が、狙い球を絞ってコンパクトに振り抜いた。準々決勝で静岡を手玉に取った三島南の右横手植松のカウントを取りに来た甘い球を見逃さない。三回までに植松から5点を奪い、マウンドから引きずり降ろした。難敵を想定し、準々決勝から3日間で万全の対策を敷いた。緩い球に対しフライアウトを繰り返した静岡を教訓に打撃マシンのカーブを100キロに設定。センターを中心に低い打球を打つ練習を重ねた。控えメンバーが右横から相手をまねた打撃投手を買って出て、チームが一丸となって攻略した。 その主役となったのが県大会で初スタメンをつかんだ6番の1年馬塚だ。「引っ張りに入ると相手のペースにはまる。センター返しを意識した」。2安打4打点の活躍にしてやったりの表情だ。 現役時に2007年のセンバツ優勝を経験し、今年就任した石岡監督は言う。「西部大会5位からここまで来たが、県大会で優勝しないと甲子園は難しい」。自身が甲子園に駆け上がった14年前の県大会準決勝も9点を挙げてコールド勝ち。縁起のいい勝ち方で菊川が勢いに乗った。 三島南 失策に泣く三島南は初回の失策絡みの3失点で、常葉大菊川に流れを渡してしまった。稲木監督は「抑えていれば試合展開は違っていたかもしれない。でもミスが出たら仕方がない」と敗戦を受け止めた。菊川打線は、変化球を低めに集めてフライアウトを量産する三島南の先発植松の術中にはまるまいと、低く、鋭い打球を飛ばしてきた。難しい打球処理を迫られ、記録に表れないミスも出た。残り1枚の東海切符に挑む。「4強の中では一番弱いチーム。弱くても頑張れるというものを見せられたら」と指揮官。伊藤主将は「相手にのまれず、自分たちの野球を徹底したい」と切り替えた。