文字のサイズ

小 中 大

記事全文

令和3年6月8日静岡新聞:記事全文

見出し 菊川夫婦殺傷 懲役25年求刑 弁護側 再び無罪主張 地裁支部公判
日付 2021.6.8
新聞名 静岡(朝)
25
連載・コーナー
ジャンル 社会
記事全文 菊川市で2020年2月にブラジル人夫婦が殺傷された事件で、殺人と傷害の罪に問われた住所不定、元派遣社員山口正文被告(65)の裁判員裁判論告求刑公判が7日、静岡地裁浜松支部(大村泰平裁判長)で開かれた。検察が懲役25年を求刑したのに対し、弁護側は「菊川市に行っていない」と改めて無罪を主張し、結審した。判決は17日。検察は論告で、犯人が着用していたとされるピエロ風のマスクと山口被告の乗用車の複数箇所で、殺害されたデ・ソウザ・マルコスさん=当時(44)=と被告の血が見つかったことから、犯行に及んだのは被告だと指摘した。マルコスさんを何度も刃物のようなもので突き刺した上、助けようとした妻にもけがを負わせ、「殺意は強固だった」と述べた。弁護側は最終弁論でマスクが事件発生後、時間がたってから発見された点を挙げ、第三者が被告の血液を付着させることも可能だったと主張。当時勤務していた工場で被告とマルコスさんが口論になっていたことについては「他の従業員とも、もめることはあった」と述べ、殺害の動機がないとした。起訴状によると、山口被告は20年2月17日、マルコスさんの左胸などを刃物のようなもので複数回突き刺して失血死させた上、マルコスさんの妻=当時(43)=の腕を切りつけ、約2カ月のけがを負わせたとされる。