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ちびまる子ちゃん、きかんしゃトーマス、ピカチュウ-。菊川市沢水加(さばか)地区の秋祭りは、屋台の上に乗せるキャラクターの山車人形が名物だ。40歳以下の祭り青年でつくる自治会親睦会(芳野裕二郎会長)が手作りしている。地元の子どもたちを喜ばせようと、人形の制作は約40年前に始まった。祭りを彩ってきたのは、エリマキトカゲやキン肉マンなど、時代の“人気者”。「毎年、どのキャラクターが選ばれるのか楽しみだった」。親睦会員らは幼少期を振り返って口をそろえる。制作期間は約2カ月。親睦会が週に2回、夜に屋台小屋に集まって作業する。発泡スチロールをのこぎりで切って形を作り、やすりで削って丸みを出す。キャラクターの姿を忠実に表現できるよう、青年たちが一丸となって取り組んできた。コロナ禍で屋台の引き回しは2年連続で中止になったが、親睦会は子どもを楽しませる別の手だてを準備していた。本来であれば屋台の引き回しを行うはずだった16日。公会堂に集まった児童にお菓子の詰め合わせをプレゼントした。「楽しかった祭りの思い出を大人になっても覚えていてほしい」。芳野会長はお菓子を手に駆け回る子どもの姿を見て目を細めた。 |