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平成27年4月9日静岡新聞:記事全文

見出し ギャバロン茶に「血圧抑制効果」 新制度を利用、効果PR JA遠州夢咲
日付 2015.4.9
新聞名 静岡(夕)
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連載・コーナー
ジャンル
記事全文 食品の健康維持・増進効果を事業者の責任で表示できる1日施行の機能性表示食品制度を活用し、JA遠州夢咲は血圧を抑制する効能があるとされる「ギャバロン茶」を機能性表示食品として売り出す。近く、消費者庁に届ける。同JA茶加工流通課の相羽信弥課長(45)は「効能をPRし、健康飲料として親しんでもらいたい」と意気込む。ギャバロン茶は、ガンマアミノ酪酸(ギャバ)という成分を多く含むのが特徴。製茶過程で密閉されたコンテナに生葉を入れ、窒素ガスを注入する嫌気処理を行うことで、茶葉に含まれているギャバが5~7倍に増える。農研機構野菜茶業研究所(島田市)が1986年に開発し、翌年から同JA管内で生産が始まった。当初は健康効果が注目され、全国から問い合わせが殺到した。同JA管内で唯一ギャバロン茶を手掛ける沢水加金協茶農協(菊川市沢水加)では、毎年1番茶と2番茶の生産最終日に1日かけて嫌気処理をするが、「生産を始めたころは注文に対応するため、処理が5日間に及ぶこともあった」=道下吉則組合長(65)=という。しかし、効能表示は特定保健用食品、ビタミンとミネラルを含んだ栄養機能食品に限られていたため、十分にPRできず、売り上げは徐々に減少。現在の生産量は当初の5分の1程度にとどまる。それだけに、関係者は新制度による効能表示が、低迷打破の起爆剤になることを期待する。道下組合長は「長年飲んでいる人からは効果があったという声をいただいている。ギャバロン茶を知ってもらうきっかけになれば」と言葉に力を込める。同JAは新制度を使いギャバロン茶のほかに、「べにふうき」の抗アレルギー作用や水出し煎茶による免疫力向上の表示も検討している。相羽課長は「表示の表現を研究して茶の需要拡大につなげたい」と話した。◇……………………◇【機能性表示食品制度】アルコール飲料などを除く食品全般について、「肝臓の働きを助けます」といった体の部位を含めた健康の維持・増進効果を包装材に表示できる制度。事業者は販売60日前までに表示内容の見本、健康効果の根拠になる実験結果や論文を消費者庁に提出すれば、効能を表示した商品を売り出せる。「花粉症に効果あり」「糖尿病の方にお勧め」といった病気の治療・予防を主張する表現は禁止されている。