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令和2年4月10日静岡新聞:記事全文

見出し 菊川 外国人学習支援施設 利用半減 運営危機 親の失職、退所急増
日付 2020.4.10
新聞名 静岡(朝)
24
連載・コーナー
ジャンル 社会
記事全文 菊川市半済でNPO法人が運営するブラジル人向け託児・学習支援施設「ミライ」が、新型コロナウイルス感染拡大の影響による利用者半減で運営の危機に直面している。派遣社員の家庭の幼児児童を受け入れてきたが、親の失職で退所する子どもが急増し、利用料収入が落ち込んだ。1歳から小学3年生までを対象に保育や日本語、ポルトガル語の学習支援を担う施設。近年ブラジル人家族の転入増に伴って利用が伸び続け、87人が在籍していた。ところが3月中旬から1カ月弱で既に40人が退所し、さらに10人ほどが退所の見通しになった。 保護者が勤めていた工場が休業するなどして、派遣会社から解雇や勤務の短縮を言い渡され、利用料が支払えなくなったケースが大半。再就職も困難で、中には住居が確保できずに知人宅へ身を寄せる家族もいるという。同施設はほぼ利用料収入だけで運営してきた上、今春から保護者の要望を受けてクラスを増設したばかり。黄地潔理事長は「企業は切りやすいところから切る。失業した家族はみな生活に不安を抱えている」と保護者らの様子を語り、「このままでは運営が立ちゆかない」と訴える。当面の運営を支える食材、文具などの寄付や資金援助を求めている。問い合わせはNPO法人ミライ<電0537(29)7301>へ。