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令和2年6月17日静岡新聞:記事全文

見出し 大村さん絵本 田んぼアートに 京アニ事件で犠牲 地元菊川、両親も協力
日付 2020.6.17
新聞名 静岡(朝)
23
連載・コーナー
ジャンル 社会
記事全文 昨年7月の京都アニメーション放火殺人事件で犠牲になった大村勇貴さん=当時(23)=の作品が、地元菊川市の夏の風物詩「田んぼアート」の図柄に採用された。同市下内田の水田約1600平方メートルに今春植えられた白、赤、黄など10種の古代米が色づき始め、作品を浮かび上がらせている。図柄は大村さんが常葉大造形学部在学中、松崎町を舞台に創作した絵本「うーちゃんのまつざき」。主人公が白い竜に乗って両親と再会する場面など2枚が描かれた。大村さんの母親が手作りしたかかしも立っている。田んぼアート菊川実行委員会の池田正代表(77)によると、大村さんは母親が下内田出身で実行委の仲間とも親交があり、よく家族で鑑賞に訪れていた。事件の前から大村さんの絵を図柄に借りる計画があり、事件後の昨年末に池田さんが再度家族の意向を聞くと、地域のため-と快い同意が得られたという。大村さんの両親は実行委にも加わり、作業に汗を流してきた。池田さんは「勇貴君を小さい時から知っているし、家族には何と声をかけたらいいかと悩んだが、今では実行委を明るく盛り上げてくれている。作品を多くの人に見てほしい」と話した。全景が見えるやぐらは土日祝日のみ開放。8月末ごろまで。