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令和2年6月26日静岡新聞:記事全文

見出し 千框棚田 国指定地域に 保全活動の発展期待 菊川・県内2例目
日付 2020.6.26
新聞名 静岡(朝)
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連載・コーナー 中東遠
ジャンル 地域 西
記事全文 菊川市倉沢の千框(せんがまち)棚田がある旧河城村地域がこのほど、棚田地域振興法に基づく国の指定棚田地域に指定された。県内では松崎町の石部棚田に続いて2例目。国の補助が受けやすくなり、保全活動の発展が期待される。県が25日に発表した。指定は16日付。昨年新設された制度で、指定を受けると各種補助制度の活用、補助率かさ上げなどの利点がある。近く棚田を管理するNPO法人せんがまち棚田倶楽部を中心に市、協力企業、大学研究者らで協議会を結成し、活動計画を作る。千框棚田は約400年前に開田が始まり、ピーク時は10・1ヘクタール、3千枚もの棚田が連なっていた。減反政策などの影響で衰退し、一時は大部分が荒れ地と化したが、原風景を守ろうと25年ほど前から地元住民が保全に乗り出し、これまで約3・5ヘクタールを復元。オーナー制を導入して稲作に取り組んでいる。同法人は復元面積の拡大、地場産品販売や交流のための施設整備などに制度を活用したい考え。堀延弘事務局長は「棚田を未来に伝えていくための可能性が広がった」と喜んだ。