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令和3年3月15日静岡新聞:記事全文

見出し 中学生支える 憩いの学び場 校外学習 塾だけじゃない 菊川 住民が”先生”新たな居場所
日付 2021.3.15
新聞名 静岡(夕)
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連載・コーナー
ジャンル
記事全文 経済的事情などで学習塾に通うことが難しい中学生の学習支援を目的に、菊川市で発足した「わくわく学習会」が子どもたちのよりどころになっている。地域住民有志で塾講師や家庭教師の経験者らが務めるメンバーは学習面の指導だけでなく、生徒の悩み相談にも乗り、地域ぐるみで教育環境の整備と子どもの居場所づくりに取り組む。4月からは開催日を増やす方向だ。学習会のメンバーは講師が5人と相談役が1人。毎週土曜の夜に市市民協働センターで活動する。昨年11月から本格的に始動し、市内の中学生5人が参加している。2時間の学習会では講師と生徒が机に向かい合い、苦手な教科や受験対策など生徒に合わせた学習指導を行う。代表の勝又健介さん(63)は約30年間、塾講師として働く中で、経済的理由で塾に通えない子どもが相当数いると感じてきた。家庭や学校以外の居場所を求める子が多いと考えたのも学習会を始めた理由。私立高入試を直前に控えた1月末、生徒が訪れると、メンバーは「ご飯食べた?」「部活どうだった?」とコミュニケーションを図った。面接試験を控えた女子生徒に対しては、メンバーが順番に面接官役を務めて指導。女子生徒は自信をつけて本番に挑んだ。生徒に変化も現れている。テストの点数が上がったほか、生徒自ら勉強したい分野を提案するようになったという。2年の男子生徒は「以前より意欲的に学習できるようになった」と話した。休憩時間になると、相談役を担う放課後児童クラブ指導員の太田理恵さん(57)が生徒に声をかける。生徒との会話は友人関係の悩みや恋愛相談などさまざま。最初は緊張していた生徒も徐々に打ち解け、表情が和らいできたという。個別指導の学習会は、わからないことをすぐに大人に伝えることができる環境。勝又さんは「子どもたちが安心して自分らしくいられる場づくりを目指す」と意欲を示した。<メモ>わくわく学習会は4月から土曜に加え、木曜にも開催する予定。先生として活動するメンバーを募集している。問い合わせは勝又さん<電090(4188)9042><メールkensuke4188@gmail.com>へ。電話は午前9時から午後3時まで。