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令和3年3月24日静岡新聞:記事全文

見出し 風紋=菊川市役所東館きくる 開館1年 新たなにぎわい拠点に
日付 2021.3.24
新聞名 静岡(朝)
20
連載・コーナー 風紋
ジャンル 地域 西
記事全文 菊川市役所庁舎東館プラザきくるが3月、オープンから1年を迎えた。併設する広場とともにさまざまなイベントに使用され、2階の多目的エリアには月に2千人以上の高校生が訪れる。新たなにぎわい創出の場となったきくるは県内各地からNPO法人や行政、民間企業が視察に訪れる注目の施設だ。JR菊川駅南側にあるきくるはテラス付きで開放感のある施設。1階が町部地区センター、2階には地域支援課と市民協働センター、3階は会議室となっている。にぎわいづくりに力を入れる市は2019年、都市計画課など8課と教育機関、金融機関、企業、市民でつくる「賑わいづくり研究会」を立ち上げ、月に一度関係者が意見交換をしている。18日、本年度最後の研究会がきくるで開かれ、活動の振り返りや次年度の計画を共有した。研究会のアドバイザーで静岡大地域創造学環の飯倉清太客員教授は、コロナ禍にもかかわらず、多くの行事がきくるで開かれたことに触れ、「きくるがコロナ禍の暗い雰囲気を払拭(ふっしょく)した」と評価。特に7月から始まった小笠高の農産物販売イベント「小さな収穫祭」は計7回行われ、高校生がまちづくりに積極的に参加した。他市町では感染予防を理由に催しを中止することが多かった一方、きくるでは開放的な空間を最大限に生かして地域活性化につなげた。2階多目的エリアの利用促進を行う市民協働センターの笠原活世センター長は「場所を味方にできた」と振り返る。駅から徒歩圏内という立地の良さは市外の人も訪問しやすい。市外からの視察を促進するパンフレットも作成中で、市外に菊川を発信する場になると期待できる。市全体を見ると人口減少が進む地区もあり、まちの活気は十分とはいえない。だが、にぎわいの拠点ができたことは市にとって大きな財産だ。きくるを拠点にして、まち全体ににぎわいを波及できるよう、今後も市民ぐるみでまちづくりを進める必要がある。