記事全文 |
菊川市で2020年2月17日、ブラジル人夫婦を殺傷したとして殺人などの罪に問われた住所不定の無職山口正文被告(65)の1日の静岡地裁浜松支部での裁判員裁判初公判で、検察は事件発生後に御前崎市内の空き地で見つかったピエロ風のマスクと緑色のジャンパーの血痕が被害者のDNA型と一致したと明らかにした。検察によると、マスクとジャンパーは地元住民が発見し、同年3月5日に県警に届けた。マスクの外側の血痕は、刃物のような物で刺されて死亡した菊川市の派遣社員デ・ソウザ・マルコスさん=当時(44)=のDNA型と、内側の血痕は被告のDNA型とそれぞれ一致したという。また、防犯カメラ映像の解析結果として、マスクなどが見つかった空き地付近を、事件発生直後に被告が使用する乗用車と特徴の似た車が走行していたと説明。事件の約2カ月前に御前崎市内で、空き地で見つかったジャンパーと色や形が似た物を着ている被告の様子が録画されていたことも明らかにした。検察は、マルコスさんと被告は工場の同僚で、「職場内で接触していた可能性が高い」と述べた一方、2人の間のトラブルなど殺害の動機になり得る事情について具体的には言及しなかった。弁護側はジャンパーとマスクの血痕を「知らないうちに第三者が付けた可能性がある」と主張し、山口被告は「犯行現場に行っていない」と無罪を訴えている。 |