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平成27年7月15日静岡新聞:記事全文

見出し 競艇賞金で復興支援 菊川の長嶋選手 活動4年 近く被災地訪問
日付 2015.7.15
新聞名 静岡(朝)
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連載・コーナー 県内総合
ジャンル 県内総合
記事全文 菊川市在住の女子競艇選手長嶋万記さん(34)=御前崎市出身=が、賞金の一部を社会貢献活動に活用する「マキプロジェクト」を通じて東日本大震災の被災地支援に取り組んでいる。全国各地の競艇場などでチャリティーイベントを開き、売り上げを復興支援に役立てて4年余り。長嶋さんは「記憶を風化させてはいけない」と訴える。 「人の笑顔を見るのが好きだから」。困っている人のため、ファンと一緒に何かできないかと考えていた長嶋さんは賞金の一部をこつこつと蓄え、2009年11月にプロジェクトを始動させた。各地のチャリティーイベントでオリジナルのタオルやTシャツを販売し、売り上げを福祉に活用してきた。東日本大震災後は被災地支援が主になり、宮城県気仙沼市の小学校の体操着や野球のユニホーム、卒業アルバムの製作などに充てた。レースと育児で忙しい長嶋さんを、菊川市の復興支援団体「小さな支援隊菊川」の代表高野大助さん(46)が支援している。震災後、被災地に物資を提供する活動をしている高野さんは長嶋さんの取り組みを知り、被災地との仲介役を務めるようになった。2人は「復興には時間がかかる。活動を継続し、現地の様子を発信していきたい」と話す。長嶋さんはプロジェクトを始動した翌年、レーサーの階級で最高のA1に昇格した。「人の笑顔につながると思うと不思議と力が出た」と振り返る。近く、日本モーターボート選手会のボランティア活動の一環で震災後初めて被災地を訪れる。「やっと行ける。被災地を見て、活動の幅を広げたい」と意欲的だ。