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平成28年6月30日静岡新聞:記事全文

見出し 「地域の守り神」解体含め1年検討 薬師堂 234年ぶり移転新築へ「後世に引継ぎたい」―菊川・下倉沢地区
日付 2016.6.30
新聞名 静岡(朝)
22
連載・コーナー 県内総合
ジャンル 地域 西
記事全文 菊川市下倉沢地区で天明2(1782)年に建立され、地元住民の信仰を集める医王院薬師堂が老朽化し、移転新築される。234年ぶりの建て替え。地域では取り壊しを求める声も上がる中、1年間薬師堂のあり方を話し合ってきた。新築を決めたのは、末永く供養し、地域の守り神として祭りたいとの思いからだ。薬師堂は3・6メートル四方の木造で、薬師如来を祭っている。祈願すると、目や身体の病が治り、長生きできるとの言い伝えがある。毎年9月に大祭、毎月8日にはお年寄りによる供養が行われている。改修でしのいできたが、建物全体の傷みが激しくなり昨年6月、建設委員会を設立して対策を検討してきた。自治会も参加し20回以上に及ぶ会合では、現在地での建て替えを求める案や、過疎化もあって取り壊しを望む住民もいた。さまざまな意見が交わされる中で「地域のよりどころとして整備し、後世に引き継ぎたい」との声が強まり、駐車場もない不便な現在地から約300メートル離れた下倉沢公会堂の敷地内に建て替えることにした。建設費は自治会が負担する。最終的には大半の住民の合意を得たという。 7月2日に起工式を行い、8月下旬に完成する予定。同委員会の伊藤正巳代表(62)は「過疎地の神社仏閣は廃れてしまうところもあるが、地元以外からも訪れてもらえるようにしたい」と期待を寄せた。