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平成29年4月4日静岡新聞:記事全文

見出し 弁当、笑顔 届け続けた25年 高齢者見守りに力―菊川「ひまわりの会」宅配活動終了
日付 2017.4.4
新聞名 静岡(夕)
2
連載・コーナー
ジャンル 社会
記事全文 菊川市内の高齢者に弁当を届ける宅配給食ボランティア「ひまわりの会」(赤堀佐代子代表、二俣美保子会長)が3月末、25年間の活動に幕を下ろした。最後の弁当を受け取った利用者からは、「さみしい」「会話が楽しみだった」と惜しむ声が聞かれた。1食200円で地元食材にこだわった手作り弁当を月2回用意。毎回配達先の高齢者約60人の見守り活動を行ってきた。会が発行する「ひまわり給食だより」には生活に役立つ情報や会員からのメッセージをつづり、それを楽しみに給食を頼む人もいたという。高齢者を狙った振り込め詐欺を防ごうと、菊川署と連携して呼び掛け活動も取り組んだ。 約30年前、赤堀代表が県の海外派遣事業に参加し、ドイツで同様のボランティアを見学したことが設立のきっかけ。地域の有志6人で活動を始め、これまでに主婦ら約170人が入会したが、会員の高齢化が進んだことから解散を決めた。「事故なくやれたことが誇り。余裕があるうちに、笑顔で活動を終えようと決意した」と二俣会長。活動最終日は、会員約40人が小笠東地区コミュニティーセンターに集まった。最後の弁当のメニューはおはぎ、煮物、卵焼きなど。午前11時ごろ、完成した63食分を持って配達班が車で出発した。1年ほど前から利用する同市下平川の松下久栄さん(88)は「いつもおいしいお弁当と、面白いお便りをくれた。本当にありがとう」と感謝した。会の活動は終えたが、高齢者の見守り活動などは各自で続けるつもり。赤堀代表は「会員も楽しみながら活動してきた。また、メンバーと新しいことができたら」と話した。