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平成30年3月2日静岡新聞:記事全文

見出し 創生の針路~中東遠5市18年度予算案(4)=菊川市―子育て支援 ニーズ対応 拡充加速
日付 2018.3.2
新聞名 静岡(朝)
18
連載・コーナー 中東遠
ジャンル 地域 西
記事全文 マンション建設や宅地造成が相次ぐ菊川市のJR菊川駅周辺。その一角にある私立の菊川中央幼稚園は、4月に保育サービスも備えた認定こども園に移行するため園舎の改築工事を進めている。同市では幼稚園の平均入園率が6割を切る一方、保育園はいずれも定員超過で待機児童が生じ、市内屈指の規模と歴史を誇った同園も市の後押しを受けて移行を決めた。保育定員は90人。保護者の反響は大きく、在籍園児から15人ほどが保育に移る。木野園枝園長は「幼児教育を一層充実させつつ保育ニーズにも応えたい」と話す。若年人口確保を総合戦略の柱に据え、子育てや移住定住の支援に注力する同市では、減少傾向だった0~5歳の乳幼児人口が2016年度から増加に転じた。15年時点での分析は18年度まで4年間で乳幼児が約400人減ると推計したが、直近の分析では逆に約20人増える見通しだ。 市街地整備が誘引した面もあるが、経済誌の住みよさランキングで3年連続県内2位に入るなど都市機能の充実度や利便性でも評価を受け、市幹部は「子育てしやすいイメージが定着してきた」と手応えを語る。それだけに急増した保育ニーズへの対応は迅速を期した。17年度に菊川中央こども園、18年度は小笠地域2園の認定こども園を整備するため計8億円超を計上。この3年間で保育定員を120人以上増やし、今後は地域型保育の導入も検討を本格化させて保護者に多様な選択肢を提供する仕組みを探っていく。18年度は第3子以降の保育完全無償化も実施予定。出産祝い金などを含めて経済的支援でも独自性を出す。市街地整備の追い風は数年で落ち着くとの見方もある中、ハードとソフト両面で子育て世代のニーズに応じた施策を展開し、好調に推移する人口の維持を図る。