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平成31年1月8日静岡新聞:記事全文

見出し 宅配ボックス開発 キャビネット技術で 日東工業が発売
日付 2019.1.8
新聞名 静岡(朝)
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連載・コーナー 経済しずおか
ジャンル 経済
記事全文 菊川市など県西部に主力工場を置くキャビネット製造大手「日東工業」(本社愛知県)はこのほど、宅配便を無人で受領できる住宅向け宅配ボックスを発売した。宅配ボックスは宅配便の増加傾向に伴って需要が伸長し、物流業界を圧迫する再配達の抑制につながると注目されている。屋外設置でも耐久、防水性を発揮するスチール製で、サイズは高さ60センチ、幅40センチ。ドア内側に自動押印装置を内蔵していて、配達員は伝票を差し込んで受領印を押した後、ハンドルを回して施錠する。受け取り主は鍵を差して解錠し、荷物を取り出せる。同社は電気設備を収納するキャビネット製造で国内トップシェアを誇る。風雨やちりから設備を長期間守る耐久性が特徴で、その技術を生かして宅配ボックスを商品開発した。宅配ボックスはオープン価格。ウェブ店舗を中心に数万円台で販売している。同社は年間千台の販売を目指す。 国土交通省の調査によると、2017年度の国内宅配便取り扱い数は42・5億個。ネット通販の普及を背景に直近10年で3割増えた。このうち再配達は2割に上り、年間でドライバー9万人分の労働力を損失している計算になるという。宅配ボックスは同省が再配達抑制策の一つとして推奨。商品の市場規模は今後5年で3倍になるとの民間企業の調査報告もある。