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令和2年6月22日静岡新聞:記事全文

見出し 石岡新監督 公式戦初陣へ 常葉大菊川高校野球部 07年選抜 優勝捕手 チームに「必死さ」要求―新型コロナ
日付 2020.6.22
新聞名 静岡(夕)
7
連載・コーナー
ジャンル スポーツ
記事全文 常葉大菊川高野球部の新監督に今春、同校OBの石岡諒哉前副部長(31)が就任した。正捕手で出場した2007年の選抜大会優勝、同年夏の全国選手権4強と黄金時代を築いた新指揮官の公式戦初舞台は、甲子園なき夏の代替大会。「甲子園でいい思いをした自分に3年生の気持ちは分からない。ただ一日でも長く彼らと一緒にやりたい」と、指導に熱がこもる。高校時代の恩師、森下監督(御殿場西)直伝の走塁技術を引き継ぎつつ、「自分の色」にこだわる。体づくりを重視し、打撃は打者の個性を引き出していくつもりだ。強打のイメージが強い菊川だが「守れない選手は使わないと言われている」と神谷主将。高橋前監督が導入したノーサイン野球は踏襲せず、サインを復活させた。「これだけ練習したら負けないという自信を持ってグラウンドに立つこと」が、勝利につながると考える。自身は卒業後、社会人野球入りし、高レベルの技術と結果を求められる厳しい世界でもまれた。勝ちにこだわって「必死」に取り組んだ当時の経験が、指導のよりどころだ。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、自主練習期間が続いた。その間に夏の甲子園中止が決まり、寮の食堂で涙ぐむ選手に「掛ける言葉がなかった」と振り返る。「腐らず野球に取り組む選手の姿に成長を感じ、敬意を覚えた」という。20日、静清との練習試合で初采配を振るった。副部長だった3年間、下級生チームの指揮を執っていたため、慌てなかった。7回制で行われる代替大会。「勝負どころを逃さずロースコアの試合を拾っていく」。新生菊川の挑戦が始まる。