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令和3年6月22日静岡新聞:記事全文

見出し お天道さまは見ている
日付 2021.6.22
新聞名 静岡(朝)
18
連載・コーナー 清流
ジャンル 地域 西
記事全文 刑事裁判の取材をしていると、悪事はいずれバレて裁かれる運命なのかと考えさせられる事案に出くわすことがある。菊川市で2020年に起きたブラジル人夫婦殺傷事件。犯人が着用していた覆面を地域住民が偶然発見し、容疑者の特定につながった。裁判で有罪の決め手となった証拠品で、「市民の目」の重要性を改めて実感した。以前取材に関わった浜松市内の殺人事件では、行方不明だった被害者の骨が浜名湖で見つかり、捜査が大きく進展した。警察幹部は「被害者の執念だ」と驚いていた。事件の裏には被害者の無念とそれに応えようとする捜査員の姿がある。偶然の一言で済ますのではなく、関係者の願いや奮闘がもたらした結果と思わずにはいられない。