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令和3年7月14日静岡新聞:記事全文

見出し 元京アニ社員・大村さんの作品、愛読書 好きな世界進む「契機に」家族が母校・掛川工業高 生徒向け公開
日付 2021.7.14
新聞名 静岡(朝)
29
連載・コーナー
ジャンル 社会
記事全文 掛川市の掛川工業高は13日までに、卒業生の元京都アニメーション社員大村勇貴さん=菊川市出身=の作品や愛読書などを紹介する「大ちゃん文庫」を校内図書館に開設した。大村さんの家族が今月、同校を訪れて山崎仁資校長に作品を寄贈した。生徒が自由に閲覧できるよう公開している。努力してアニメーターになる夢をかなえ、2019年の放火殺人事件で23歳の若さで犠牲になった大村さんの足跡を語り継ごうと、同校の杉山直康図書主任が企画した。家族が協力し、自費出版した大村さんの絵本「うーちゃんのまつざき」「どっくんどっくん」のほか生前愛読していたコミック、図鑑、教本など7冊を提供した。大村さんは高校在学中に文化祭のポスターやクラスTシャツをデザインするなど、画才を発揮して活躍していた。ものづくりの道に進む同級生が多い中、好きな絵の世界に進みたいと家族や教員に打ち明け、常葉大造形学部に進学後は大量の参考図書を集めて勉強したり泊まりがけで作品制作に没頭したりと、アニメーターの狭き門を目指して人一倍努力を重ねていたという。大村さんの母は「こんな卒業生がいたんだと知り、『自分も好きなことをやろう』と思うきっかけにしてもらえれば」と話した。