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平成29年1月12日静岡新聞:記事全文

見出し 菊川の課題~迫る 市長選 市議選(下)=人口減少対策―子育て環境整備が鍵
日付 2017.1.12
新聞名 静岡(朝)
20
連載・コーナー 中東遠
ジャンル 地域 西
記事全文 年間で延べ3万人以上の親子連れが足を運ぶ菊川児童館(菊川市半済)。クリスマス会などの企画も行われ、子どもや親同士の交流の場としてにぎわう。昨年12月、幼稚園に通う息子2人と訪れた母親(29)は「子育ての最大の悩みは金銭的な負担。子どもの成長に合わせて段階的に支援してもらいたい」と話した。会社員山元勇二さん(29)は久しぶりの休日に娘と来館。「仕事や消防団で子どもと過ごす時間が取れない。市が率先して男性も子育てに参加しやすい環境をつくってくれたら」と希望した。 2015年度末時点の市の人口は、前年から144人増の4万7823人。転出数と転入数を比較した社会動態は5年続けてプラスだが、全体では07年をピークに減少傾向にある。少子高齢化も進む中で子育て世代を呼び込もうと、市は出産祝い金などの支援制度を設けているが、周辺ではより高いサービスを打ち出す市町もある。マンション建設が進むJR菊川駅北側地域のまちづくり構想も、市外からの移住者を呼び込む推進力として期待が集まる。4年前には大型複合商業施設がオープンし、多くの買い物客が訪れるが「具体的な開発事業計画はこれから」(都市計画課担当者)というこの地域。宅地分譲の伸び悩みや進出企業の誘致など課題は多い。菊川駅には北口や線路を越える自由通路がないため、地元住民からは「駅北地域の開発にはまず橋上駅化から」という声も上がる。JR東海静岡支社によると、静岡-浜松間で自由通路がない駅は菊川駅のほか3駅。そのうち天竜川駅は橋上駅化工事が進む。市長選立候補予定者のうち、現職太田順一氏(66)は関連業務を一括して扱う「子ども未来部」を新設、総合支援体制の強化を掲げる。駅北地域は「市民全体から意見を求め、方向性を探る」としている。新人の元菊川市議小笠原宏昌氏(52)は学校給食費の補助制度を創設するなど、切れ目のない経済支援を掲げる。駅北地域は「市外の人も訪れるような場所に」と観光事業での活用も考える。