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平成29年1月20日静岡新聞:記事全文

見出し 太田氏 組織力で先行/小笠原氏「草の根」猛追―大詰めの菊川市長選
日付 2017.1.20
新聞名 静岡(朝)
9
連載・コーナー 政治しずおか
ジャンル 県内政治
記事全文 任期満了に伴う菊川市長選は、22日の投開票に向けて大詰めを迎えた。ともに無所属で元菊川市議の新人小笠原宏昌氏(52)と4選を目指す現職太田順一氏(66)=民進党、連合静岡推薦=の一騎打ちは、組織力を生かして太田氏が先行し、同級生らの支援で草の根の活動を展開する小笠原氏が猛追している。太田氏は地元の国会議員や県議のほか、市内の幅広い団体から支援を受ける。同時に実施されている市議選候補者24人のうち、17人の支持も得た。各地区での街頭演説は地盤を置く市議選候補者と合同で行い、相乗効果を狙う。保守層を中心に着実に票をまとめ、旧菊川町地区で手堅い。 財政状況の改善や雑誌社の住みよさランキング上位入賞など3期12年の実績を強調し、市政継続を訴える。防災対策では培ってきた国や県との太いパイプをアピールする。選対幹部は「終盤にかけてゆるみが出るのが一番怖い」と陣営を引き締めるとともに、無党派層の動向も意識する。小笠原氏は、市議時代に地盤をつくった地元の支援者を中心に、同級生や青年団活動での人脈が陣営を支えている。「長期政権は硬直する。市政の刷新が必要」と訴え、太田氏の多選に批判的な票を集める。市長自ら政策提案やトップセールスをする積極型行政を公約し、若さや行動力を強調。早朝のあいさつ運動などで浮動票の掘り起こしに注力する。合併後、「市の発展に置いていかれた」との不満がある旧小笠町地区の住民の受け皿にもなっていて、同地区ではほぼ互角の情勢。選対幹部は「小笠では支持が浸透した。菊川地区も巻き返したい」と攻勢を掛ける。 同市の大部分が半径20キロ圏内に入る中部電力浜岡原発の再稼働にはいずれも反対の立場だが、ともに街頭演説では積極的に触れていない。「実績」と「刷新」で舌戦を繰り広げる一方で、政策面では「明確な争点がない」との指摘も根強い。市議選に多くの候補者が立ち混戦模様となっているため、両陣営とも投票率は前回(68・6%)を上回ると見ていて、70%台前半になるとの声もある。